ジュネーブあれこれ

私がジュネーブにやってきて、かれこれ半年が経ちます。 そこで、今まで私が発見した ジュネーブを、いろんな角度から綴っていきたいと思います。

 

Geneve

ジュネーブといえば大噴水、大噴水といえばレマン湖ーこの2つは、何と言ってもジュネーブの シンボルでしょう。 私がこの街を訪れる前は、正直言ってあまりこのイメージは強くありませんでした。 ジュネーブ=スイスの国際都市、国連やWTO、WHOなどの国際機関のある街、時計の街、そういった イメージのほうが強かったのは、学生時代の社会の教科書のせいでしょうか。 しかし、実際この街を 訪れてからというもの、もう私の頭のなかでは、ジュネーブは噴水と湖のイメージでいっぱいです。 ご存知のように、レマン湖はスイス第一の湖。 ジュネーブはそのレマン湖の西端に位置しています。 街の中には、レマン湖から流れ出しているローヌ川も流れています。 レマン湖をはさんで、ジュラ山脈 とアルプス山脈が対峙しており、天気のよい晴れた朝には、シャモニーなどの山々を見ることもできます。 大噴水は3月から10月までの間、160mの高さまで吹き上げます。 豊富な水資源と、高い山々に囲まれた 都市ジュネーブだからこそ、できるトリックではないでしょうか。 晴れた日に見る透明なレマン湖と、青い 山々、そして吹き上げる大噴水ー時折、太陽の光と水が虹色のプリズムを創りだすーそれは美しい光景 です。

私がこの街に住み始めたのが4月。 ここにやって来て驚いたのが、街のいたるところに花が 咲き乱れていたことです。 公園はもちろんのこと、交差点のロータリー、街路樹から、普通の 人々の部屋のテラスまで花が街にあふれていました。 花の種類も豊富で、パンジーや水仙、 ツツジ、バラ、紫陽花、桜、藤の花、などなど数えるときりがありません。 日本的な花も多いのは 意外でした。 さらに驚いたのは、日本では、桜は4月、ツツジは5月、紫陽花は6月、などと 花の季節は決まっていますが、こちらでは同じ種類の花を楽しめる期間がとても長いのです。 (さすがに桜の花は1週間で散ってしまいますが。) パンジーは、私が来た4月から今でも 咲いているし、バラは5月から8月まで咲いていました。 紫陽花は、ほとんどの花は枯れては いるものの、10月の今でもまだ木に花をつけています。 たまに、まだ美しい色を携えた 紫陽花を見ることもできます。 公園に散歩に行くと、スプリンクラーで散水している光景に よく立ち会います。 ジュネーブは水資源の豊富な街なので、花や木々にとって、とても よい環境なのではないでしょうか。

二つの山脈に囲まれ、湖に面している街ジュネーブは、天候は不安定で1日の中でも 天気がめまぐるしく変わります。 したがって、天気予報はあまり正確ではない、というのが 私の感想です。 朝、とても曇っていて、午後、快晴になり、夜、雨が降るということも 珍しくありません。 また、昨日はとても暑かったのに、きょうはコートなしで外出すること ができないほど寒い、ということもしばしば起こります。 この季節、もうこの服は着ない だろう、と思って衣服をたんすの奥にしまい込む、ということはタブーです。 空気が乾燥 しているので、夏の暑さは厳しくありません。 また、今年は10月までサマータイムを実施 しているので、日は意外と長く、今現在(96年10月)、夜7時ごろに暗くなります。 冬は くもりがちでうっとおしい日が多いそうですが、5月から9月末までの5ヶ月間は、一般的に とても爽やかで過ごしやすい日が続きます。 日本を離れたスイスでは、私も外国人の一人ですが、ここジュネーブは外国人がとても 多いのです。 外国人の占める割合は、何と人口の30%以上!日本のそれは、約1% ですので、いかに外国人が多いか、容易に想像していただけると思います。 地理的に ヨーロッパの中心に位置しているということ、他の国と比較すると移住が簡単であること などが、外国人の多い理由として挙げられるでしょう。 先日我が家で行ったパーティーに 20名のお客様がいらっしゃいましたが、国籍はスイスのほか、イタリア、フランス、オランダ、 スウェーデン、アルジェリア、そして日本と実に7カ国に及ぶものでした。 街を歩けば、世界 各国からやってきた人々に出会います。 ヨーロッパ各地のほか、中近東やアフリカ、 アジアからの移民も多いのです。 そういった意味で、ジュネーブはコスモポリタンなので、 外国人であっても、外国人であることを忘れることのできる街なのです。 スイスの公用語は何語?スイス語? いいえ、スイス語というものは存在しません。 スイス では、4つの言葉が公用語として用いられています。 ドイツ語(約70%)、フランス語 (約20%)、イタリア語(約10%)、そしてロマンシュ語がスイスの「国語」なのです。 ジュネーブは、フランス語の地域になります。 街を歩けば「ボンジュール」、買い物の あとでは「メルシーボクー」の世界です。 こちらの学校では、小学校4年生から外国語 が必修となります。 ジュネーブでは、まず第1外国語であるドイツ語を7年間学び、 次に英語、そして選択科目でイタリア語などを学ぶシステムになっているようです。 しかし、スイスのドイツ語は、本場のドイツ語とはかなり違うようで、7年学んだ後でも、 ドイツの人とは話せるけれど、スイス・ジャーマンのドイツ語はまったくわからない、 といった声もよく耳にします。 それに比べると、スイスのフランス語は、多少の違いは ありますが、フランスのフランス語とあまりかわりはないようです。 ジュネーブは 観光都市で、外国人も多いので、フランス語の他にだいたい英語も使えますが、 やはり第1言語はフランス語です。 私の友達で、語学堪能な人はたくさんいますが、 彼らはだいたい外国人か、もともとは外国人だったけど帰化したスイス人で、純粋な スイス人はフランス語しか話せない、というケースが多いです。 テレビの番組も フランス語、ドイツ語、イタリア語とさまざまな言語のものを見ることができます。 物を買えば、ドイツ、フランス、イタリア語の3カ国語で説明が書かれています。 日本では、想像できないことですね。 街の三方をフランスに囲まれ、またイタリアにも近いジュネーブは、食文化も フランス、イタリアの影響を受けています。 とはいえ、ジュネーブはスイス、 スイスならではの料理も楽しむことができます。 スイスの伝統的な食べ物 といえば、チーズ。 日本ではなかなかお目にかかることのできないチーズも、 こちらでは簡単にスーパーで買えます。 私が好きなのは、中がとろりとした カマンベールタイプのチーズ。 なんとも言えないコクがあり、かつ舌触りが なめらかなのです。 他に私のお気に入りは、クリームタイプのもので、 にんにくやコショウが入っているチーズ。 薄切りにしたフランスパンに塗って 食べると最高です。 他に、伝統的なグリュイエールチーズ(いわゆる私たち が想像する、スイスの固いチーズ)、イタリアが起源の青カビをはやした ゴルゴンゾーラチーズなどが有名です。 チーズを使った料理は、フォンデュ が知られていますが、こちらでフォンデュと並んでポピュラーなのが、ラクレット です。 ラクレットは、薄切りにしたチーズをしゃもじのような形をした鉄板の上で 溶かし、茹でたじゃがいもやソーセージにかけて食べる料理です。 また、庶民のレストランとしては、ピッザリアが人気です。 そこでは、直径30cm くらいの大きなピザを手ごろな値段で食べることができます。 ピザはピザでも、 本場イタリアンのピザで、薄い皮のパリパリピザで、とてもおいしいのです。 パンやケーキも、フランスの影響が強いせいか、かなりレベルが高いものが 多く、ドイツ語圏のそれとはまったく違う、というのが私の個人的な感想です。 日本は、物価の高い国として知られていますが、私がこちらに住んで思った ことは、スイス、特にジュネーブは、もっと物価が高いということです。 物にもよりますが、だいたい日本の「定価」と同じ値段で売られているのではないで しょうか。 日本では、定価そのままで売られることは、あまりありませんが、 こちらでは、安売りで売られることはとても少ないです。 例えば、ティッシュ 1箱(150枚入り)で1,5フランです。(1fr.=約90円) 日本では、うちの 近くのスーパーでは200枚入りティッシュ5箱で198円なので、これは 大きな違いだと思います。 もっとも、私の出身地は、激安の激戦地区で 常に激しい安売り競争が行われている所なのですが。 日本より安い物と しては、水道水(1000m3で10円?)、電気代、米(約1.5fr./kg)、 化粧品類、教育費などです。 しかし、一口に物価が高い、と言っても、 こちらの人の所得も高いので、比率としては結局は日本の物価と 同じくらいの高さになるのではないでしょうか。

以上が私の感じたジュネーブです。
原稿は順次、更新されます。 次回お楽しみに!

文: 山口 和子
96年10月15日
ジュネーブの風景(毎朝10時のものです。)
PEXAM
 
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